昔から綿々と連なる情報や技術やイデオロギー(という技術)の伝播は言わずもがな
グローバリゼーションであり、意図の有無はあれ時代とともに国家や集団の盛衰がある。
こういったことについて、国家と企業、南北問題、西洋と中東 といった
切り口でさまざまな論客の視点を取り込みながら解説が試みられている。
まずは9.11の首謀者とされるオサマ・ビンラディンの身なりについて、
そこにグローバリゼーションの影響が多分に見えるという話から始まり
その話は、後半においてグローバリゼーションをめぐる論議は
「グローバル vs ローカル」「西洋 vs 中東」という単純な話ではないというところに行きつく。
たとえば、ビンラディンがやろうとしたことは、(市場派グローバリズムと言われる)
資本による帝国主義的な経済活動は西洋~キリスト教社会が世界を蹂躙する行動だと批判し
彼らはそれと拮抗するよう中東~イスラム教社会を(世界中のイスラム教徒が望むかぎり)
広めていこうと考えている。ナショナリズムではないという指摘である。
それは宗教やイデオロギーが(かつての勢力図がそうであったような)地理的に地続きに
拡大をしていくわけではなく、いわゆるウェブのようにあちらこちらに点在するものを繋ぎ
点から線に、線からやがて面になっていくという、それ自体が現代のグローバリゼーションの特徴だと。
そうしたことを可能にした技術は、実はグローバリズム経済にあるという。
地理的に離れた場所に居る複数の拠点を即時に結ぶことができる携帯電話やインターネット。
これらはグローバリズムの産物であり、またこれがあったからこそさまざまなグローバリズムは
加速しているという指摘。
メインストリームとして存在するイデオロギーも、それに対抗するイデオロギーも
同じようにそういったグローバリズムの恩恵を受けているのだという指摘はとても興味深い。
岩波書店
売り上げランキング: 238784

